相続税・贈与税の土地評価に使う路線価図は、国税庁のサイトで公開されていますが、都道府県→市区町村→図番号と何段階もクリックしないとたどり着けません。MAPRISEでは住所を入力するだけで、該当する路線価図に直接ジャンプできるようにしました。路線価とは何か、どんな業種で使われているかもあわせて紹介します。
こんにちは、MAPRISE開発チームです。今回は、住所を入力するだけで国税庁の路線価図をすぐに開けるようにした、という機能のご紹介です。
そもそも路線価とは
路線価は、国税庁が毎年7月に公表する、主要な道路に面する土地の1㎡あたりの評価額です。相続税・贈与税の申告における土地の評価額を算定する際の基準として使われており、一般に「相続税路線価」と呼ばれます(固定資産税の評価に使う「固定資産税路線価」は市町村が別に公表しており、両者は異なるものです)。
路線価図そのものは国税庁のサイトで公開されていますが、その地図の作成は株式会社ゼンリンが担っています。ここで一つ注意しておきたいのは、路線価図はあくまで「どの道路にいくらの路線価が設定されているか」を示すための地図であり、距離や面積を正確に測れる縮尺の地図とは性質が異なるという点です。実際の土地の形状や境界を正確に把握したい場合は、登記所備付地図や測量図など、別のデータをあわせて参照する必要があります。
路線価を実際に使う場面は、専門職ごとに少しずつ異なります。
- 税理士・相続の専門家: 相続税・贈与税の申告における土地評価の基準として、最も直接的に使います
- 不動産鑑定士: 公示地価・取引事例と並ぶ参考指標の一つとして、鑑定評価の裏付けに用います
- 金融機関の担保評価担当: 融資審査における担保不動産のおおまかな価値感を把握する材料の一つとして参照します
- 弁護士・司法書士: 遺産分割協議や財産分与の場面で、土地評価額の目安として使うことがあります
- 不動産仲介: 売買価格を検討する際、公示地価とあわせて参考にすることがあります
MAPRISEでの使い方
MAPRISEでは、住所を入力するだけで、その地点に最も近い国税庁の路線価図をすぐに開けるようにしました。

地図上で住所を検索すると、ポップアップの中に「相続税路線価(国税庁)」というリンクが表示されます。クリックすると、その住所が含まれる町丁目の路線価図が、国税庁のサイト上でそのまま開きます。
一つの町丁目が、複数の路線価図にまたがっているケースも珍しくありません。その場合は、該当する図番号をまとめて一覧表示し、どれを開くか選べるようにしています。

リンクをクリックすると、国税庁が公開している路線価図そのもの(PDF)が別タブで開きます。

MAPRISE側で地図を再作成しているわけではなく、あくまで一次資料である国税庁のページへ直接ご案内する形です。
路線価は、いろんな業種で使われています
前述のとおり、路線価は税理士の相続税申告だけでなく、不動産鑑定士の鑑定評価、金融機関の担保評価、弁護士・司法書士の遺産分割協議、不動産仲介の価格検討など、業種を横断して参照される指標です。案件によっては、これらの専門職が同じ土地について、それぞれ別の目的で路線価を確認することもあります。MAPRISEでは、こうした複数の専門職が同じ画面上で、路線価をはじめとする複数のデータを行き来しながら調査できることを目指しています。
全国対応です
この機能は、九州先行ではなく最初から全国対応です。国税庁は毎年、全国の路線価図を一斉に公表しており、MAPRISEもこれに合わせて、全国どの住所からでも該当する路線価図を開けるようにしています。
開発における、ちょっとした苦労話
正直に言うと、この機能はただ国税庁のサイトにリンクを張っているだけではありません。
国税庁の路線価図のサイトは、都道府県を選び、市区町村を選び、索引図を見て、該当する図番号のPDFを開く、という複数ステップのクリック操作を前提に作られています。住所や緯度経度から特定の図番号のPDFへ直接たどり着けるような、分かりやすいURL構造にはなっていません。そこで、住所(または緯度経度)から該当する都道府県・市区町村・図番号を特定し、実際のPDFへ直接たどり着けるリンクを組み立てる処理を作り込みました。
もう一つ厄介だったのが、1つの町丁目が複数の路線価図にまたがるケースです。街区の境界と路線価図の図郭は必ずしも一致しないため、住所によっては該当しうる図番号が2つ、3つと出てくることがあります。最初は1つの図番号だけを機械的に選んで案内していたのですが、それでは目的の道路が別の図に描かれていて見つからない、ということが起こり得ると気づき、該当する可能性のある図番号をすべて列挙して選んでいただく方式に変更しました。
さらに、路線価は毎年7月に新しい年度分が公表され、国税庁側のサイト構造も年度によって微妙に変わることがあります。年度が切り替わるたびにリンクが壊れていないか、今後も継続的に確認していく必要がある機能だと考えています。
おわりに
住所を入力するだけで路線価図が開く、という体験自体は地味かもしれません。それでも、都道府県・市区町村・図番号とたどっていた手間を1クリックに圧縮できたことで、日々の実務における細かな時間のロスは着実に減らせるはずだと考えています。
ご意見・ご質問は info@maprise.jp までお気軽にお寄せください。
本記事で紹介した路線価図・評価倍率表は、国税庁「財産評価基準書」に基づく公的情報です(地図データ:株式会社ゼンリン)。MAPRISEは国税庁が公開するページへのご案内を行うものであり、路線価そのものを独自に算定・保証するものではありません。正式な税務申告にあたっては、国税庁のサイトで最新の路線価図・評価明細書をご確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。
タグ: #路線価 #相続税 #データ品質 #全国対応
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