誰しも、できれば安全な場所に住みたいものです。警察庁・各県警が公開するオープンデータをもとに、九州全域の交通事故(10万件超・5年分)と犯罪発生(8万件超・7年分)を地図上にプロットし、種別ごとに色分け、年度別に切り替えて見られるレイヤーを追加しました。開発の裏側と、行政の縦割りを地図で横串にしたいという個人的な思いをフランクに書きます。
こんにちは、MAPRISE開発チームです。今回はちょっとテーマが重めですが、正直に、フランクに書いてみます。「交通事故」と「犯罪発生」のデータを、九州全域で地図に落とし込みました。
誰しも、安全な場所に住みたい
当たり前のことですが、みんな道路事情や治安が良い場所に住みたいと思っています。逆に言えば、災害リスクが高いところや治安が良くないところは、一般的に地価が低くなる傾向があります。この「一般的にはそう言われている」を、実際のデータで裏付けられないか。それが今回のレイヤーを作った出発点です。
何を投入したか
警察庁が公開する交通事故統計オープンデータから、直近5年分(2019〜2023年)・108,538件の交通事故データを投入しました。もともと緯度経度(度分秒形式)を持つデータなので、これを10進法に変換して、路線名の情報とあわせて地図上に落とし込んでいます。
もう一つが、各県警・自治体が公開するオープンデータをもとにした、九州7県分・80,250件(2018〜2024年度)の犯罪発生データです。
交通事故はピンポイント、犯罪発生は丁目まで
この2つ、実は精度が違います。正直にお伝えしておきます。
交通事故データは、警察庁の統計にもともと発生地点の緯度経度が記録されているため、実際の交差点そのものの位置をピンポイントで地図上に表示できます。「この交差点、実は事故が多発している」という発見が、そのまま使えるレベルです。

死亡事故は濃い赤の大きめの点、重傷事故はオレンジの点で色分けしています。年度を絞り込んでの表示も、全年度まとめての表示も、どちらも可能です。

一方、犯罪発生データは、元の公開データが「市区町村+町丁目」までの住所表記で、番地までは含まれていません。そのため、MAPRISEでは町丁目ごとの代表地点にジオコーディング(住所を座標に変換)して表示しています。つまり、地図上のピンは「この丁目で、こういう犯罪が発生した」という情報であり、その建物や現場そのものを指し示しているわけではありません。この点は誤解のないよう、はっきり書いておきます。

犯罪種別は自転車盗・車上ねらい・オートバイ盗・部品ねらい・自動販売機ねらい・自動車盗・ひったくりなど、手口ごとに色分けしています。こちらも年度を切り替えて見比べたり、全年度をまとめて見ることができます。

AIに「この辺りの治安は?」と聞ける
地図上でプロットを目で追うだけでなく、AIチャットに聞くこともできます。「この地点の周辺、治安はどうですか」といった質問に対して、AIが指定エリア内の犯罪件数・種別、事故件数・死傷者数を集計して、文章で答えてくれます。定量的な件数を出しつつ、それを踏まえた定性的な説明も添えられるのが、AI対話ならではの良さだと思っています。物件調査レポート(PDF)にも、周辺の犯罪発生密度や事故傾向をまとめたセクションとして反映されます。
業種ごとに広がる使い道
不動産仲介の方には、周辺の犯罪傾向・事故発生状況を、お客様への説明材料として使っていただけます。ディベロッパーの方には、用地選定の初期段階で治安・事故の面的な傾向を把握する材料に。士業(鑑定・調査)の方には、地歴調査や周辺環境調査の一次情報として。金融機関の方には、担保エリア全体のリスク評価の一要素として。行政(都市計画・防災)の方には、管内のどこに対策を集中すべきかを考える基礎資料として、それぞれ活きるはずだと考えています。
個人でこの地図を見る方にとっても、意味は変わりません。これから住もうとしている候補地の周辺で、どんな事故や犯罪が実際に起きているのか。すでに住んでいる場所であっても、自分の生活圏の傾向を把握しておくこと。これだけで、日々のちょっとした注意や、防災・防犯への備えの感度が変わってくるはずです。
行政の「縦割り」を、地図の上で横串にしたい
ここから少し、個人的な思いを書かせてください。行政は縦割りだ、とよく批判されます。ただ、これは行政に限った話ではなく、民間企業であっても、大きな組織になればなるほど、重い責任を担う部署ほど、縦割りにならざるを得ない構造的な理由があると思っています。責任範囲を明確にし、専門性を高めていけば、自然とそうなっていく。むしろ健全な組織運営の結果でもあるはずです。
とはいえ、警察庁のデータ、国土交通省のデータ、各自治体のデータ、それぞれが縦割りのまま別々に公開されていては、住民一人ひとりが自分の生活圏を総合的に理解するのは簡単ではありません。MAPRISEは一民間企業に過ぎませんが、こうした横串を刺す作業自体は、複雑で難しくても、やろうと思えばできることだと思っています。地図の上に重ねて表示する。AIに何でも聞ける。この「お手軽さ」こそが、MAPRISEのような小さなチームでも提供できる価値だと考えています。
「データの民主化」という言葉が使われるようになって久しいですが、私は、誰でも簡単にそのデータを理解でき、それぞれの意思決定に実際に役立てられて、はじめて「データの民主化」と呼べるのだと思っています。地図は、こうした空間データを表現するのにうってつけの形式です。膨大な定量データをすべてデータベースとして持ち、必要な情報を数秒で確認できる。これこそがMAPRISEの強みだと、自負しています。
引き続き、こうした行政の垣根を越えたデータの重ね合わせを、地道に増やしていきます。
本記事で紹介した交通事故データは警察庁の交通事故統計オープンデータ、犯罪発生データは九州各県警・自治体が公開するオープンデータをもとにしています。犯罪発生地点は町丁目単位の住所をジオコーディングした代表地点であり、実際の発生現場そのものの位置を示すものではありません。防犯・防災上の判断にあたっては、必ず最新の公的情報・地域の情報もあわせてご確認ください。
タグ: #交通事故 #犯罪発生 #治安 #オープンデータ #データの民主化
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📝 その交差点、実は"事故多発地点"かもしれません ― 交通事故・犯罪発生データを地図に落とし込みました 誰しも、できれば安全な場所に住みたいものです。警察庁・各県警が公開するオープンデータをもとに、九州全域の交通事故(10万件超・5年分)と犯罪発生(8万件超・7年分)を地図上にプロットし、種別ごとに色分け、年度別に切り替えて見られるレイヤーを追加しました。開発の裏側と、行政の縦割りを地図で横串にしたいという個人的な思いをフランクに書きます。 https://maprise.jp/ja/blog/crime-traffic-accident-layers/ #交通事故 #犯罪発生
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📝 That intersection might actually be an accident hotspot - we mapped traffic accident and crime data Everyone wants to live somewhere safe, if they can help it. Using open data published by the National Police Agency and … https://maprise.jp/en/blog/crime-traffic-accident-layers/ #Trafficaccidents #Crimedata
🆕 New on the MAPRISE blog. 《That intersection might actually be an accident hotspot - we mapped traffic accident and crime data》 Everyone wants to live somewhere safe, if they can help it. Using open data published by the National Police Agency and Kyushu's prefectural police, we've plotted over 100,000 traffic accidents (5 years) and over 80,000 crime incidents (7 years) across all of Kyushu, color-coded by type and switchable by year. Here's the story behind it, told frankly, plus a personal take on using maps to cut across the silos in public data. 👉 Read the full post: https://maprise.jp/en/blog/crime-traffic-accident-layers/ #Trafficaccidents #Crimedata #Publicsafety #Opendata #Datademocratization