国土交通省のPLATEAU(3D都市モデル)をもとに、九州17都市・約155万棟の建物を「用途別」「耐震基準別」「高さ別」の3パターンで色分け表示できるレイヤーをご紹介します。想定される業種別の活用シーンと、建物クリックからAIが6シナリオ別の倒壊確率を分析するモードについてもあわせて解説します。
こんにちは、MAPRISE開発チームです。今回は「PLATEAU建物」レイヤーの使い方を、少し丁寧にご紹介します。
PLATEAUとは何か
PLATEAUは、国土交通省が整備を進めている3D都市モデルのオープンデータです。全国の都市について、建物一棟一棟の位置・高さ・用途・構造といった情報を、3次元データとして整備・公開しています。MAPRISEでは、この九州17都市(福岡・北九州・熊本・佐世保・久留米ほか)分のデータを取り込み、約155万棟の建物を地図上でそのまま扱えるようにしています。この規模の建物データを一棟単位で色分け・絞り込み表示できることが、このレイヤーの土台になっています。
3つの色分けモードで、同じ155万棟を見る
PLATEAU建物レイヤーの特徴は、同じ建物データを「用途別」「耐震基準」「高さ別」という3つの色分けモードで切り替えて見られることです。
1. 用途別
まず基本となるのが用途別の色分けです。住宅(青)・共同住宅(紫)・商業・業務(赤)・工場・作業所(オレンジ)・農林漁業施設(緑)・公共・その他(グレー)という6区分で、建物一棟ごとに色が塗られます。

さらに便利なのが、この用途フィルタと合わせて「耐震基準フィルタ」「構造フィルタ」も同時に絞り込める点です。例えば「木造の住宅だけ」「RC造の商業・業務だけ」といった組み合わせでON/OFFしながら、必要な建物属性だけを地図上に残せます。

2. 耐震基準別
2つ目が耐震基準別の色分けです。旧耐震基準以前(〜1970年)・旧耐震基準(1971〜1981年)・新耐震基準(1982〜1999年)・2000年基準以降・不明、という5区分で建物が塗り分けられます。

この色分けモードの使いどころは、個別の建物を見るというより、面・地域として耐震基準の状況をスクリーニングすることにあります。あるエリアに旧耐震基準以前の建物がどれくらい密集しているか、逆に2000年基準以降の建物が多いエリアはどこかを、地図上の色の分布として俯瞰できます。

3. 高さ別
3つ目が高さ別の色分けです。0〜3m・3〜6m・6〜10m・10〜15m・15〜25m・25〜40m・40〜60m・60m以上という細かい区分で、建物の高さがグラデーション表示されます。

低層住宅地の中に、駅前や幹線道路沿いだけ高層の建物が立ち並んでいる様子が、色のグラデーションとして一目で読み取れます。
建物をクリックすれば、個別の詳細情報も
どの色分けモードでも、建物一棟をクリックすれば、その建物固有の情報(都市・建築年・耐震基準・高さ・階数(地上/地下)・構造)がポップアップで表示されます。面で全体傾向を掴み、気になった建物はクリックして個別に確認する、という使い方ができます。

どんな業務に役立つか
MAPRISEでは、不動産仲介・宅建業者、デベロッパー・ファンド、金融機関(融資審査)、士業(鑑定・調査・法務)、自治体(都市計画・防災)という5つの業種を主な想定顧客としています。PLATEAU建物レイヤーは、それぞれの業務でこう活きると考えています。
不動産仲介・宅建業者の方にとっては、重要事項説明で確認が必要な建物の構造・築年数を、現地調査の前に地図上で把握できます。耐震基準別の色分けは、周辺の建替え状況や地域全体の資産の古さを、お客様への説明材料として使うこともできるでしょう。
デベロッパー・ファンドの方には、用地取得の初期検討段階で、周辺エリアの建物用途・高さの分布を面として把握する材料になります。高層建物が集積するエリアと低層住宅地の境目を見極めることは、開発計画の検討に直結します。
金融機関(融資審査)の担当者にとっては、担保となる建物の耐震基準・構造を地図上ですぐに確認できることが、審査における一次情報の一つになります。周辺エリア全体の耐震基準の分布も、担保エリアとしてのリスク評価の参考になります。
士業(鑑定・調査・法務)の方には、鑑定評価や地歴調査の過程で、対象建物および周辺建物の構造・築年数・高さを効率的に確認できる点が役立つはずです。
自治体(都市計画・防災)の担当者にとっては、管内の建物ストックを耐震基準別に俯瞰できることは、防災計画・耐震化促進策の優先エリアを検討するための基礎資料になります。旧耐震基準以前の建物が密集するエリアの把握は、まさにこの色分けモードが直接応える課題です。
建物クリックから、AIが6シナリオ別の倒壊確率を分析
PLATEAU建物レイヤーには、もう一段踏み込んだ機能があります。建物をクリックしたポップアップから「AIで6シナリオ別倒壊確率を分析」を選ぶと、その建物について、九州で想定される6つの地震シナリオ(警固断層帯南東部M7.2、布田川・日奈久断層帯連動M8.0、南海トラフ巨大地震M9.1、日向灘地震M7.6、西山断層帯連動M7.6、別府-万年山断層帯M7.5)それぞれの倒壊確率を、AIが分析します。
この分析は、対象建物の構造・築年代(PLATEAU建物データ)と、その建物に紐づく6シナリオ別の倒壊確率・計測震度(地震応答シミュレーションデータ)を組み合わせて行われます。対象地点から150m以内の最も近い建物データを特定したうえで分析するため、クリックした地点そのものの建物情報として結果を確認できます。さらに、同じ構造種別・100m圏内にある周辺建物の倒壊確率の中央値とあわせて見ることで、「この建物は周辺と比べてどうか」という相対的な位置づけも把握できます。
この機能は本来、AIクレジットを消費する分析機能ですが、β期間中(〜2026年10月末)は、どなたでも無料でお使いいただけます。地図上の色分けで面としての傾向を掴み、気になる建物はクリックしてAI分析で個別の数値まで踏み込む。この一連の流れを、ぜひ一度お試しください。
PLATEAU建物データは国土交通省が整備する3D都市モデルを情報源としています。耐震基準区分・倒壊確率等の分析結果は参考情報であり、個別建物の耐震性能を保証するものではありません。実際の耐震診断・改修の要否については、必ず建築士等の専門家にご相談ください。
タグ: #PLATEAU #3D都市モデル #耐震基準 #地震シミュレーション #AI
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🆕 New on the MAPRISE blog. 《Reading 1.55 million Kyushu buildings through three lenses — how to use the PLATEAU Buildings layer》 Built from MLIT's PLATEAU 3D city model, this layer color-codes roughly 1.55 million buildings across 17 Kyushu cities in three ways — by use, by seismic standard, and by height. We walk through each mode, who it helps across our five target industries, and the AI mode that analyzes six-scenario collapse probability from a single building click. 👉 Read the full post: https://maprise.jp/en/blog/plateau-buildings-3d/ #PLATEAU #3Dcitymodel #Seismicstandards #Earthquakesimulation #AI