MAPRISEに成約価格データを追加したのをきっかけに、不動産の「取引価格」と「成約価格」の違いを整理してみました。地図上ではリング状のアイコンとドット状のアイコンで両者を見分けられます。年度・価格帯・物件種別まで細かく絞り込める表示の工夫もあわせてご紹介します。
こんにちは、MAPRISE開発チームです。今回は少し毛色を変えて、「不動産の価格情報って、実はひとつじゃないんです」という話をさせてください。きっかけは、MAPRISEに成約価格のデータを新たに追加したことです。これで地図上に「取引価格」と「成約価格」の両方が並ぶようになったのですが、そもそもこの2つ、何が違うのかご存知でしょうか。
「取引価格」と「成約価格」は別のデータです
どちらも「この物件はいくらで取引された(成立した)か」を示す価格情報ですが、出どころが違います。
取引価格情報は、国土交通省が実際に不動産取引をした人にアンケート調査を行い、その回答をもとに公開しているデータです。売買・賃貸を問わず幅広い取引をカバーしていて、面積・間取り・建築年・構造・都市計画区分といった物件の属性も一緒に見られるのが特徴です。ただしアンケート回答ベースであるため、回答者の記憶や認識に多少の揺れが生じることもあります。
成約価格情報は、指定流通機構(レインズ)に登録された、不動産会社の仲介によって実際に成約した価格の情報です。仲介契約が成立した時点のデータなので、取引価格情報に比べて「本当にその金額で決まった」という精度の高さが強みです。一方で、仲介を介さない個人間売買などはカバーされません。
つまり、取引価格情報は「広く浅く」、成約価格情報は「狭いが確実」という、それぞれ得意分野の違うデータなんです。どちらか一方だけを見ていると、市場の実態を見誤ることがあります。だからこそ、MAPRISEでは両方を同じ地図の上に載せることにしました。
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アイコンの「かたち」で見分けられるようにしました
とはいえ、2種類のデータをただ地図に重ねただけでは、見た瞬間に「これはどっちの情報?」がわからず、かえって混乱を招きます。そこでMAPRISEでは、アイコンの形状でこの2つを区別する表示にしました。
上の画面をご覧いただくと、リング(輪っか)状になっているアイコンと、内側まで塗りつぶされたドット状のアイコンが混在しているのがわかると思います。リングは取引価格情報、塗りつぶしドットは成約価格情報です。色は価格帯(1,000万円未満〜1億円以上)で統一して塗り分けているので、「色で価格帯を、形でデータの種類を」直感的に読み取れるようにしています。クリックすれば、ポップアップの「価格区分」欄でどちらの情報かもはっきり確認できます。
左メニューの「価格種別」からは、取引価格だけ・成約価格だけ・両方、という3つの表示モードも選べます。「まずは母数の多い取引価格全体を眺めたい」「仲介実績ベースの確度が高い成約価格だけ見たい」といった使い分けができます。
年度・価格帯・物件種別、細かく絞り込めます
MAPRISEの不動産価格マップは、見分けやすさだけでなく、絞り込みの細かさにもこだわっています。
- 取引年度:年度単位でプルダウン選択(例:2024年)。年ごとの価格推移を追いかけられます。
- 価格帯フィルタ:1,000万円未満/1,000〜3,000万円/3,000〜5,000万円/5,000万円〜1億円/1億円以上の5段階をチェックボックスで個別にON/OFF。狙った価格帯だけを地図上に残せます。
- 物件種別レイヤー:中古マンション等・宅地(土地と建物)・宅地(土地)・農地・林地の4種類を、それぞれ独立したレイヤーとしてON/OFF。マンションだけ見たい、土地の取引だけ比較したい、といった用途にそのまま対応します。
- レイヤーごとに透過度も調整できるので、他のレイヤー(地価・ハザード・都市計画など)と重ねて見比べる際に、視認性を保ったまま情報を積み重ねられます。
こうした細かいフィルタを一つの地図の中で組み合わせられるのが、MAPRISEらしさだと思っています。「2024年・3,000〜5,000万円帯・中古マンションのみ・成約価格ベース」というように、条件を絞り込んで初めて見えてくる相場感があります。取引価格情報のようにサンプル数の多いデータで市場全体の空気をつかみつつ、成約価格情報でピンポイントの実勢感を裏付ける。この両輪がそろって、はじめて価格情報は「使える」ものになると考えています。
引き続き、データの精度と見やすさの両方を磨いていきます。公的な鑑定評価との関係を知りたい方は鑑定評価書(2人の鑑定士)の回もあわせてどうぞ。
本データは国土交通省「不動産取引価格情報」および指定流通機構「成約価格情報」を参考情報として掲載しています。実際の取引にあたっては、別途専門家・不動産会社への確認をお願いいたします。
出典:国土交通省 不動産取引価格情報提供制度 / 指定流通機構(レインズ)成約価格情報
タグ: #不動産取引価格 #成約価格 #データ更新 #UI/UX
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