ゴルフ場の数は、最も多かった頃と比べて約1割減りました。その跡地に太陽光パネルが並ぶ場所を、全国7か所で、AIのパネル検知・現在の航空写真・過去の航空写真(または過去の土地利用)・色別標高図の4分割で見比べました。
こんにちは、MAPRISE開発チームです。今回は、「かつてゴルフ場だった場所に、太陽光パネルが敷き詰められている」という例を、地図で探してみました。あわせて、ゴルフ場の数が最も多かった頃と比べて、今はどのくらい減ったのかを調べて、まとめています。
なお、閉場の理由や跡地の使われ方の背景については、私の推測も含まれます。特定のゴルフ場や事業者を評価するものではなく、地図から読み取れることを、やわらかく紹介する記事として読んでいただけるとうれしいです。
ゴルフ場は、最盛期からどのくらい減ったのでしょうか
調べた範囲では、営業中のゴルフ場の数は次のように推移しています(一季出版「ゴルフ特信」の集計による数字として紹介されているものです)。
- 最も多かった2004年:2,356コース
- 2023年:2,123コース
- 2024年9月:2,121コース(ピーク比で235コース減、約10.0%減)
- 2025年8月:2,110コース(ピーク比で246コース減、約10.4%減)
つまり、最盛期から、約250コース、割合にして約1割が、純減したことになります。2008年以降は、ほぼ毎年、減少が続いており、東日本大震災のあとは、減るペースが速まったと紹介されています。新しくできたコースもあるため、実際に閉場したコースの数は、この「純減」の数字より多いと考えられます。
なお、ゴルフ場の数は、集計の団体や数え方によって、数字が少しずつ異なります。たとえば、日本ゴルフ場事業協会などの統計では、2002年の2,460コースがピークとして紹介されています。そのため、「約1割減」という大きな流れとして、受け止めていただくのがよいと思います。
プレーする人の数も、減ってきています
ゴルフ場の数と並んで気になるのは、ゴルフをする人の数です。日本生産性本部の「レジャー白書」では、ゴルフ(コース)の参加人口は、次のように紹介されています。
- 1994年:約1,450万人(ピーク)
- 2015年:約760万人
- 2019〜2020年:約520万人
- 2024年:約480万人
ピークから見ると、30年ほどで、約3分の1にまで減ったことになります。ゴルフ場の数の減り方(約1割)よりも、人口の減り方のほうが大きいことが分かります。
跡地には、太陽光パネルが多く使われたようです
閉場したゴルフ場の跡地は、住宅地、公園、農地、あるいは、そのまま残されている例もあります。そのなかで、太陽光発電所になった例も、少なくないようです。2010年代の報道(ダイヤモンド・オンライン)では、ゴルフ業界専門誌「ゴルフ特信」が2011年以降に報じた、ゴルフ場用地のメガソーラー化の件数は、約150件(コース内の一部や、計画段階のものを含む)と紹介されていました。とくに、栃木県・茨城県・群馬県などの北関東で目立つ、とも書かれています。
ゴルフ場の跡地が選ばれやすい理由としては、次のようなことが考えられます。
- コース造成のときに、土地がすでに整えられていて、広くて、なだらかな面が多いこと
- 大きな面積を、まとまって使えること
- 管理用の道路や、送電線の近くにあることが多いこと
ただし、これは私の推測です。実際の理由は、それぞれの場所の事情によって、異なると思います。
どうやって、跡地を見つけたのでしょうか
今回は、次のような手順で、全国の候補を探しました。
- AIが検知した太陽光パネルの範囲のうち、広いものを、全国から抜き出す
- その範囲が、過去の「土地利用細分メッシュ」(国土数値情報)で、ゴルフ場に分類されていた場所と重なっているかを調べる(2006年版、一部は1997年版)
- 重なりが大きい場所を、MAPRISEの4分割表示で、実際に確かめる
そのうえで、パネルが「フェアウェイやグリーンだった場所」に、はっきり並んでいるところを、全国7か所選びました。今回の7か所では、AIが検知した範囲のうち、過去の土地利用メッシュでゴルフ場だった割合は、およそ9割〜ほぼ全域でした。
4分割の見方
どの画像も、次の並びになっています。
- 左上:AIが検知した太陽光パネルの範囲(紫色)
- 右上:現在の航空写真(パネルが並んでいる様子)
- 左下:過去の航空写真(ゴルフ場だった頃の様子)。過去の航空写真が使えない場所では、2006年の土地利用細分メッシュ(淡い紫色がゴルフ場)を表示しています
- 右下:色別標高図(標高の違いを、色の濃淡で表したもの。色は、場所ごとの標高の範囲に応じて変わります)
過去の航空写真は、国土地理院の「年度別空中写真(2007年)」などを使っています。地域によっては、撮影された年や画質が異なるため、左下が土地利用メッシュの場所もあります。
全国7か所の4分割
北から順に、見ていきます。
1. 福島県小野町 ― 谷をはさんで、一面に広がるパネル

右上の航空写真では、谷筋に細長い水面が見え、その両側に、パネルがびっしりと並んでいます。左下の土地利用メッシュは、この範囲がほとんど、ゴルフ場の色(淡い紫)になっています。右下の色別標高図からは、谷を挟んだ起伏のある地形に、パネルが載っていることが分かります。
2. 群馬県藤岡市 ― 帯のように連なるフェアウェイの上に

左下の2007年の航空写真では、林のあいだを、明るいフェアウェイが帯のように通っているのが見えます。右上の現在の航空写真では、その帯に沿うようにして、パネルが並んでいます。ホール同士を分けていた林は、一部が残っていて、パネルの列のあいだに点々と見えます。
3. 石川県宝達志水町 ― ほぼ平らな土地に、整然と並ぶパネル

航空写真には、同じ向きで、整然と並んだパネルが、画面いっぱいに写っています。右下の色別標高図は、起伏が少なく、ほぼ一様な色で、なだらかな土地であることが分かります。土地利用メッシュでは、全域が、ゴルフ場の区分になっています。
4. 静岡県下田市 ― 斜面に連なる、帯状のパネル

2007年の航空写真では、起伏のある土地に、フェアウェイが曲線を描いて、林のあいだを通っています。現在の航空写真では、同じような帯が、パネルに置き換わっているように見えます。右下の色別標高図では、段になった斜面が、はっきりと見えます。
5. 三重県いなべ市 ― 森に囲まれた、かつてのコース

左下の2007年の航空写真では、白く見えるバンカーや、芝の広がるフェアウェイが、林に挟まれて並んでいます。右上の現在の航空写真では、森のなかに、パネルがまとまって広がっています。同じ場所を、時間をさかのぼって見比べられるのが、とても分かりやすい例だと思います。
6. 香川県三豊市 ― 一部は、今もコースの面影が残る場所

右上の航空写真では、パネルが並ぶ区画の右側に、グリーンやバンカー、池といった、コースの面影が残っているのが見えます。パネルになった部分と、そうでない部分が、隣り合っている様子が分かります。右下の色別標高図は、起伏の少ない、平らな土地であることを示しています。
7. 大分県大分市 ― 広い面に、規則正しく並ぶパネル

左下の2007年の航空写真では、池やバンカー、曲線を描くフェアウェイなど、ゴルフ場らしい特徴が、はっきり見えます。右上の現在の航空写真では、同じ広さの土地に、規則正しくパネルが並び、ところどころに、設備の小屋のようなものが見えます。右下の色別標高図からは、ほぼ平らな土地であることが分かります。
見えてきたこと
7か所を見て、私が感じたことは、次の3つです。
- 平らな土地が多い:ゴルフ場は、もともと造成されているため、比較的なだらかな場所が多く、パネルを並べやすかったのかもしれません。ただし、下田市や藤岡市のように、起伏のある場所もありました。
- コースの形が、パネルの配置に影響していそう:フェアウェイの帯や、林で区切られていた区画に沿って、パネルが並んでいる場所が目立ちました。
- 跡地の使われ方は、さまざま:三豊市のように、一部がコースの面影を残している場所もあり、跡地すべてが、同じ使われ方をしているわけではないようです。
ゴルフ場の跡地は、新しく山林を切り開くのではなく、すでに人の手が入った土地を使うという意味で、一つの選択肢なのかもしれません。一方で、斜面の跡地では、雨のときの水の流れや、土砂の動きに、気をつけたいと思います。前の記事で紹介した、がけ崩れの警戒区域のレイヤーと、あわせて見ていただくと、より分かりやすいと思います。
ゴルフと、時代の移り変わり
かつてゴルフは、会社勤めの方の社交の場として、また娯楽として、日本の大きな産業のひとつでした。今でも、レジャーのなかでは、大きな割合を占めています。それでも、プレーする人の数は、ピークの頃から減ってきているのかもしれませんね。
地図の上では、かつて多くの人が歩いたフェアウェイが、いまは別の役割を持つ土地になっています。そんな時代の移り変わりを、航空写真や土地利用の記録から、読み取ることができます。
地図で確かめる意味
MAPRISEの4分割表示では、パネルの検知、現在の航空写真、過去の航空写真、色別標高図を、同じ場所で並べて見られます。気になる場所があれば、お住まいの町や、旅先、不動産の用地など、どこでも、同じように確かめることができます。4分割表示は、Starterプラン以上でご利用いただけます。
データと出典について
- パネルの範囲は、AIが推定したもので、実際のパネルの位置と一致しない場合があります。
- 「ゴルフ場だった」という判断は、国土数値情報の土地利用細分メッシュ(2006年版、一部は1997年版)と、国土地理院の過去の航空写真をもとにしています。メッシュは粗く、年代も古いため、実際の跡地の範囲とは異なる場合があります。
- ゴルフ場の数や、ゴルフの参加人口は、調べた時点(2026年10月)で確認できた、民間の集計や、報道で紹介されている数字です。集計の団体や数え方によって、数字は異なります。
- 本記事は、地図の見方と、調べた情報の紹介であり、特定のゴルフ場や事業者の評価ではありません。私の考えは、個人的な見解です。
ご意見・ご質問は info@maprise.jp までお気軽にお寄せください。
出典
- 2024/9/9 全国営業中ゴルフ場数、昨年比12件減の2121コース(一季出版)
- 2025/8/7 全国営業中ゴルフ場数、昨年比11件減の2110コース(一季出版)
- 最新・日本のゴルフ場数は「2123」(e-GOLF)
- ゴルフ場が太陽光発電所に変わる、全国各地に広がる建設計画(スマートジャパン)
- ゴルフ場跡地に10万枚の太陽光パネル、1万1000世帯分を発電(スマートジャパン)
- メガソーラー大バブル終了でゴルフ場が悲鳴を上げる理由(ダイヤモンド・オンライン)
- レジャー白書(日本生産性本部)
- 地図・データ:国土数値情報 土地利用細分メッシュ(国土交通省)、国土地理院 地理院タイル(年度別空中写真・色別標高図)(MAPRISE で加工して表示しています。各データの提供元とライセンスはデータソース一覧に、地図で見られるデータはレイヤー図鑑にまとめています)
タグ: #ゴルフ場 #太陽光発電 #メガソーラー #土地利用 #航空写真 #色別標高図 #4分割表示
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