巨大噴火が残した大きな凹地「カルデラ」を、MAPRISEの2分割表示で、白黒の陰影起伏図と、標高ごとに色分けした色別標高図に並べてみました。阿蘇、洞爺湖、支笏湖、十和田湖、屈斜路湖、摩周湖、箱根の輪郭が、2つの見え方でくっきり浮かび上がります。
こんにちは、MAPRISE開発チームです。今回は、旅行先としても人気の高い「カルデラ」を、MAPRISEの2分割表示で眺めてみた記事です。
同じ場所を、白黒の陰影起伏図(光と影で凹凸を描く図)と、色別標高図(標高ごとに色を塗り分け、等高線のような色の帯で地形を表す図)に並べると、普段は気づきにくい土地のかたちが見えてきます。巨大な凹地であるカルデラは、その見え方の違いを楽しむのに、うってつけの題材だと考えています。
そもそも、カルデラとは
カルデラとは、火山活動によってできた大きな凹地のことです。スペイン語で「釜」や「鍋」を意味する言葉に由来しています。
大規模な噴火で、地下のマグマが一気に噴き出すと、支えを失った地面が陥没して、直径が数km〜数十kmにもなる大きな窪みができることがあります。これが典型的なカルデラです。窪みに水がたまれば、洞爺湖や支笏湖のような「カルデラ湖」になります。阿蘇のように、窪みの中に町や田畑が広がっている場所もあります。
なお、日本では、約7,300年前の鬼界カルデラ(鹿児島県の南方海域)の噴火が、最新のカルデラ形成噴火とされています。
2分割表示で見ると、何が違って見えるのか
今回使ったのは、MAPRISEの2分割表示です。同じ位置・同じ縮尺で、左右に別の地図を並べて表示できます。
- 左:白黒の陰影起伏図。 光が斜めから当たったように、尾根や谷の凹凸が濃淡で表れます。縁(外輪山)の形や、窪みの中の小さな山の様子が、立体的に分かります。
- 右:色別標高図。 標高が低い場所から高い場所へ、色が段階的に変わります。窪みの底と縁との高低差や、平らな場所の広がりが、色の面で分かります。
陰影図は「かたち」、色別標高図は「高さ」が分かりやすい、というのが、私たちの見方です。2つを並べることで、お互いの弱いところを補い合えます。
阿蘇カルデラ(熊本県)

阿蘇は、東西約18km・南北約25kmの、世界でも有数の大きさのカルデラです。約27万年前から約9万年前にかけて、4回の巨大噴火があり、最後の噴火が最大とされています。
陰影図では、ぐるりと取り囲む外輪山の縁と、中央に連なる阿蘇五岳の凹凸がくっきり見えます。色別標高図では、外輪山の内側に、標高の低い平らな土地が広がっている様子が分かります。この窪みの中に、市街地や田畑があるのが、阿蘇の特徴です。
洞爺湖(北海道)

洞爺湖は、約11万年前の噴火でできたとされるカルデラに、水がたまった湖です。ほぼ円形で、直径は約10kmあります。湖の中央には中島があり、南側には、現在も活動する有珠山が控えています。
色別標高図では、湖のまわりを囲む外輪山の高まりが、きれいな輪になって分かります。陰影図では、有珠山や昭和新山のあたりの、荒々しい凹凸が目を引きます。
支笏湖(北海道)

支笏湖は、約4万年前の巨大噴火でできたカルデラに水がたまった湖で、直径は約12kmです。水深が深く、最大で約360mあり、冬でも凍らない湖として知られています。
湖の南東側には、風不死岳・樽前山といった、その後にできた火山が並んでいます。陰影図で見ると、「大きな窪みの縁に、新しい火山が育っていく」という、カルデラ地形の時間の流れが読み取れます。
十和田湖(青森県・秋田県)

十和田湖は、複数回の噴火を経てできたカルデラに水がたまった湖です。湖面の標高が約400mと高く、最大水深は約327mと、日本でも有数の深さです。
湖に突き出す2つの半島(中山半島・御倉半島)が、陰影図ではっきりと見えます。その周囲を、山の輪が取り囲んでいる様子は、色別標高図のほうが分かりやすいと感じます。
屈斜路湖(北海道)

屈斜路カルデラは、東西約26km・南北約20kmで、日本最大級のカルデラとされています。窪みの約半分が屈斜路湖で、湖の中央付近には、中島があります。
あまりに大きいため、現地では「窪みの中にいる」ことに気づきにくいほどです。地図を引いて、2分割で見ると、その大きさと、縁の輪郭が一目で分かります。内側には、摩周カルデラも重なっています。
摩周湖(北海道)

摩周湖は、屈斜路カルデラの内側に重なる、もう一つのカルデラにたまった湖です。周囲を切り立った壁に囲まれ、川の出入りがないため、透明度が高いことで知られています。
陰影図では、湖を囲む壁の急さが、濃い影の帯としてはっきり表れます。色別標高図では、壁の上の縁から湖面までの落差が、色の変化で分かります。「摩周ブルー」の湖が、深い鍋の底のような地形にあることが、地図からも読み取れます。
箱根(神奈川県・静岡県)

箱根は、温泉や芦ノ湖で人気の観光地ですが、実は、外輪山に囲まれたカルデラ地形の上にあります。内側には神山や駒ヶ岳などの中央火口丘が並んでいます。
首都圏から近く、多くの方が訪れる場所ですが、陰影図で眺めると、「窪みの中に山と湖がある」という成り立ちが分かります。複数の小さなカルデラが侵食でつながった複雑な地形とされており、色別標高図では、その入り組んだ縁の高さが分かりやすいと感じます。
旅先では、ぜひMAPRISEを思い出してください
カルデラは、湖、温泉、展望台、ドライブコースなどが多く、観光で訪れる方の多い土地です。こうした場所へ出かけられる際には、ぜひMAPRISEを思い出していただけたらうれしいです。
- 出かける前の予習に。 2分割表示で、これから向かう土地の「かたち」と「高さ」を確かめておくと、現地での景色の見え方が変わります。
- 展望台を選ぶ手がかりに。 色別標高図で縁の高い場所を探し、陰影図で眺めの開けた方向を確かめられます。
- 帰ってきてからの振り返りに。 「あの時に見た湖は、こんな窪みの中だったのか」と、旅の記憶を地図で振り返れます。
また、地形を見る目は、旅だけでなく、土地を調べる仕事にもつながります。MAPRISEは、不動産の用地検討や調査のための、地図サービスです。旅先で気づいた地形の面白さが、お仕事での土地の見方にも活きるのではないかと考えています。
データについて
- 陰影起伏図・色別標高図は、国土地理院の標高データなどをもとにした、国土地理院タイルです。
- カルデラの大きさ・年代は、概数です。研究によって数値が異なる場合があります。
- 本記事は、地形の見え方の紹介であり、火山の活動や、防災上の判断に代わるものではありません。実際の火山情報や、立入規制は、気象庁・自治体などの最新の情報をご確認ください。
おわりに
地図は、見る道具を変えるだけで、同じ土地が違う顔を見せてくれます。次に、カルデラや火山の近くへ出かけられる際には、ぜひ、2分割表示で眺めてみてください。
ご意見・ご質問は info@maprise.jp までお気軽にお寄せください。
出典
タグ: #摩周湖 #箱根 #カルデラ #陰影起伏図 #色別標高図 #阿蘇 #洞爺湖 #支笏湖 #十和田湖 #屈斜路湖 #2分割表示 #地形
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