太陽光パネルの検知、航空写真、標高、がけ崩れ(急傾斜地)の警戒区域を、MAPRISEの4分割表示で並べました。2026年9月の大雨で太陽光発電施設の被害が報じられたことをきっかけに、斜面に連なるパネルが警戒区域のそばにある場所を、九州と北関東の8か所で見てみました。
こんにちは、MAPRISE開発チームです。今回は、太陽光パネルが山の斜面や標高差のある場所に連なっている場所を、がけ崩れの警戒区域とあわせて、MAPRISEで確かめる方法をご紹介します。
きっかけは、2026年9月の大雨です。台風25号に伴う大雨で、千葉県の印旛沼に隣接する太陽光発電施設が冠水し、ほとんどのパネルが水に浸かっている様子が報じられました。
この件は冠水の被害ですが、斜面の上にあるパネルが大雨のときにどうなのか、気になりました。実は、斜面に設けられた太陽光発電設備の被害は、今回に限った話ではありません。
過去にも、大雨で斜面の発電設備が被害を受けています
- 2018年7月の西日本豪雨。 神戸市では、山陽新幹線沿いの傾斜地にあった23kWの発電所が崩落し、新幹線が一時運休しました。広島県三原市では、約100mにわたる土砂崩れが、低圧の太陽光発電所を直撃しました。
- 2022年7月、鹿児島県姶良市。 太陽光発電所の建設現場で土砂災害が起き、流出した土砂が数百メートル離れた民地に達して、農地や倉庫に被害が出ました。国は、再生可能エネルギー施設の整備に伴う災害への対策として、規制の強化を検討しました。
こうした事例を知ると、「斜面にあるパネルが、どこにあるのか」を、事前に地図で確かめておく意味があるように思います。
「かつて森だった場所」と、大雨
ここでは、次のような前提で考えてみます。
- 森林は、土や根が雨水を蓄え、ゆっくりと流す働きを持つとされています。
- 森を切り開いてパネルを並べた場所では、この働きが、もとの森に比べて弱くなっている可能性があります。
- そうだとすると、想定を超える大雨のときに、斜面から水や土砂が流れ出しやすくなり、土砂崩れのリスクが高まることも考えられます。
ただし、これは一般的な考え方です。実際のリスクは、地質、傾斜、排水の設計、施工の状況などによって大きく異なり、個々のパネルの安全性を述べるものではありません。
4分割で、4つの条件を同時に見る
MAPRISEの4分割表示では、同じ場所を同じ縮尺で、4つの画面に並べられます。今回は、次の4つを割り当てました。
| 画面 | 内容 | 分かること |
|---|---|---|
| 左上 | 太陽光パネルの検知(AIによる被覆の推定) | パネルがありそうな範囲(紫) |
| 右上 | 航空写真 | 実際のパネルと、周りの土地(森・住宅・農地など) |
| 左下 | 標高(色別標高図) | 斜面の向きと、標高差 |
| 右下 | 土砂災害警戒区域(急傾斜地の崩壊) | がけ崩れの警戒区域(黄色=警戒区域、赤=特別警戒区域) |
4分割表示は、Starterプラン以上でご利用いただけます。
九州の5か所で見てみました
AIがパネルを検知した範囲と、急傾斜地の警戒区域の位置関係を、地図のデータから照合し、パネルが警戒区域のそばにある場所を選びました。
1. 鹿児島県枕崎市岩戸町 ― 海沿いの斜面に広がる大規模な発電所

航空写真で、何列ものパネルが、海に面した斜面に並んでいる様子がはっきり分かります。左上の紫色が、AIが検知した範囲です。右下では、赤と黄色の警戒区域が、パネルの西側の縁に沿って帯状に伸びています。色別標高図では、海側に向かって標高が下がっていくことが分かります。
2. 鹿児島県大崎町假宿 ― 丘の上のパネルを、警戒区域が取り巻く

丘の上に整然と並ぶパネルの、西側から南側にかけて、警戒区域(赤と黄色)が取り巻いています。航空写真では、パネルの周りに、住宅が点在していることも確認できます。
3. 熊本県熊本市北区山室 ― 住宅地に隣接する斜面

住宅地の中の丘の斜面に、パネルが並んでいます。左上では、周囲の建物(青)との距離が分かります。右下では、斜面に沿って警戒区域が伸びています。航空写真では、周囲に住宅が並んでいることが分かります。
4. 鹿児島県霧島市国分重久 ― 山あいの斜面に広がるパネル

森に囲まれた山あいの斜面に、パネルが広く並んでいます。パネルのすぐ南を道路が通り、その道路の南側の斜面に、警戒区域が連なっています。色別標高図では、斜面が入り組んでいる様子が分かります。
5. 宮崎県宮崎市北川内町 ― 造成された山あいの土地

森を切り開いた造成地に、数列のパネルが並んでいます。航空写真では、むき出しの土の面が見え、周囲は森です。警戒区域は、パネルから少し離れた南側の斜面にあります。
北関東でも見てみました
九州だけではありません。群馬県と埼玉県北部でも、同じ方法で照合し、パネルが警戒区域に重なる、またはそばにある場所を選びました。
6. 群馬県高崎市吉井町坂口 ― パネルの西側に、警戒区域が重なる

航空写真では、斜面に沿って、パネルが列になって並んでいます。右下では、赤と黄色の警戒区域が、パネルの範囲の西側に重なっていることが分かります。左端には、別のパネルの群も見えます。
7. 群馬県安中市郷原 ― 川沿いの斜面に、細長く並ぶパネル

川に沿った斜面に、パネルが帯のように並んでいます。右下の警戒区域が、このパネルの帯に沿って走っていることが分かります。
8. 埼玉県神川町 ― 住宅地に隣接する大規模なパネル

住宅地のすぐそばに、大規模なパネルが広がっています。警戒区域は、パネルの南東側の斜面にあります。航空写真では、パネルの背後に、森が続いていることが分かります。
大雨のときに、気をつけたいこと
斜面に連なるパネルを見つけたときに、確かめておきたい点を挙げます。
- 斜面の向きと傾斜。 色別標高図で、斜面の大きさを確かめます。
- 警戒区域との位置関係。 警戒区域が、パネルの縁や、パネルの下方、近くの住宅・道路にかかっていないかを確かめます。
- 足もと(下流側)に、何があるか。 住宅、道路、水路、田畑がある場合は、水や土砂の影響を受けやすいことがあります。
- 大雨の予報が出たとき。 自治体の避難情報や、気象庁の土砂災害警戒情報をご確認ください。
データについて
- パネルの範囲は、衛星画像などをもとにAIが推定したもので、実際のパネルの位置と一致しない場合があります。
- 土砂災害警戒区域は、国土地理院の「重ねるハザードマップ」のタイルを表示しています。警戒区域の指定がない場所が、安全であることを意味するものではありません。
- 本記事は、地図の見方の紹介であり、特定の設備や土地の安全性を判定するものではありません。
ご意見・ご質問は info@maprise.jp までお気軽にお寄せください。
出典
タグ: #太陽光発電 #土砂災害 #がけ崩れ #急傾斜地 #4分割表示 #航空写真 #標高 #九州
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